突然ですが、皆さまはサブスク サービスや定期購買を活用していますか?私は大好きです。日用品がスーパーから毎週届いたり、コーヒーが毎月補充されるのは嬉しいし、お気に入りのブランドが新製品で年に何度か驚かせてくれるのも待ち望んでます。最近はとくに顕著で、できるだけストレスを避けたいと思っています。いくつもの理由でeコマースのサブスク サービスや定期購買は魅力的なのです。
そしてこれは、わたしだけでの話ではありません。McKinseyによると、15%のアメリカ人は定期的に商品を受け取るために、1つ以上のサブスクサービスや定期購買に登録しています。実際、eコマースの定期購買市場は、2025年までに4,730億ドルに達すると見られ(2019年には150億ドル)、ビジネスオーナーにとって大きな機会が広がっているといえます。
e コマースの定期購買市場は、 2025 年までに 4,730 億ドルに達すると見られています。
今回の記事は定期購入やサブスク機能を追加したオンライン販売をしたい方や、これからサブスク サービスの立ち上げをしたい人にとってぴったりです。以下では、定期収益のメリットや多様なモデル、Shopifyの始め方などを解説します。
サブスクとは?
サブスクとは「サブスクリプション」の略語で、「定期購読」を意味します。
月額費・年会費などを支払うことによって、その期間中に該当するサービスや物を受け取れるようになるという物です。
元祖サブスクでは「新聞」やの定期購読が有名ですが、近年では「音楽ストリーミング」や「漫画」などを月額数百円で利用している方も多いのではないでしょうか。また、新しさでは、「車」や「服」などのサブスクも人気です。
サブスク ビジネスや定期購買を始める理由
サブスクや定期購入に基づいたeコマースビジネスは、消費者に対して便利でパーソナライズされた安価な方法で定期的に欲しいものを提供する仕組みです。そして会社は予測可能な月次収益(MRR)によってビジネスをスケールすることが可能になります。
日本ではサブスクといえば、料金を支払うことで商品やサービスを一定期間使用できるモデルのことを言います。例えばSpotifyがNetflixなどはその代表例として挙げられるでしょう。一方で定期購入とは定期的に料金を支払い、商品やサービスを受け取るビジネスモデルです。例えば定期的にコーヒー豆を購入するといった場合は定期購入という単語が使われることが多いです。
それでは、このビジネスモデルの利点をひとつずつ見ていきましょう。
1収益が予測しやすい
毎月いくら収入があるか把握できるため、売上予測から在庫戦略まですべてを合理化できます。またビジネスの成長にいくら再投資できるかもわかります。
2キャッシュが残りやすい
事前に全額を割引価格で支払うモデルも存在します。キャッシュフローにとって良いだけでなく、スタートアップ企業が安心できるバッファを確保することにもなります。
3顧客獲得費用が安い
商品単位で支払いをする価格モデルのビジネスは、新規顧客を引きつけて収益を向上させるために、継続的なマーケティングとセールスへの投資が欠かせません。顧客獲得コストの上昇は、スタートアップが失敗する大きな要因でもあります。サブスク ベースのモデルの場合、顧客は定期的に支払いをしてくれます。そのため新規顧客の獲得にそれほど投資する必要がないのです。
新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストの 5 〜 10 倍です。
4ロイヤルティが高い
サブスクの定期的な性質は、好転するサイクルを生み出します。一定間隔の購入によって顧客行動の深いインサイトが得られ、パーソナライズの体験向上とお客さまのカムバックを実現します。
うまくやれば、サブスクビジネスは強力なロイヤルティとリピーターを生み出すのです(そしてリピーターは新規顧客より67%多く消費します)。これは顧客ライフタイムバリューの前提となり、ビジネスの成功を左右する重要なファクターでもあります。
5アップセルやクロスセルがしやすい
サブスクや定期購入モデルでは、ユニークなかたちで既存顧客からさらに収益を得ることが可能です。なぜなら、あなたは継続的にお客さまとコンタクトして、信頼関係を築いているからです。このため、追加の商品やサービスのマーケティングが楽になります。彼らはあなたが価値あるサービスを提供してくれることをすでに知っているわけです。
適切におこなえば、サブスクビジネスの立ち上げによって大きな利益が見込めます。まず最初に気をつけるべきことは、自分に合ったモデルを選択することです。
サブスクに適切なモデルを選ぶ
サブスクには主に3つのモデル(キュレーション、補充、アクセス)があります。どれにもメリットとデメリットがあり、あなたが販売する商品、対応力、独自のビジネスゴールなどに応じて、どのタイプがフィットするかが決まってきます。
キュレーションモデル(例:ボックスのサブスク)
Birchbox、Blue Apron、Stitch Fix等の企業によって一般化したビジネスモデルです。これらはボックスタイプのサブスクで、新商品やパーソナライズされた体験によって顧客を感動させたり驚かせたりすることが追求されます。
通常は、アパレル、美容、フードなどの商品を販売しますが、幅広い商品に適用可能で近年はどの業界でも増えてきています。
✅メリット
- 高利益のポテンシャル。サブスクボックスはかなり儲かる可能性があります。事実、サブスク市場の成長とシェアはいくつかのキュレーターブランドが先導しています。サブスクボックスのコストはだいたい月に15ドル〜100ドルで、新商品の発掘を促進します。毎月複利的にみると、この利益モデルは急速にスケールできます。
リスク
- 高い解約率。めずらしさが初期の熱狂をこのビジネスにもたらしますが、高い解約率にもつながります。また、これらの商品は一般的にニッチであり必需品ではないので、サブスクボックスは経済が好調のときには伸び、経済が停滞すると最初に切られます。
- オペレーションが複雑。顧客獲得コストが高いだけでなく、このビジネスモデルの場合はオペレーションコストも高くなります。パッケージング、ブランディング、頻繁な発送業務などが含まれます。
補充モデル
このモデルは便利でコストを削減できることが第一です。定期購入により、お客さまは毎日の生活に必要な商品を自動で、だいたいの場合は割引価格で、購入できます。
たいていの商品は定期的に補充が必要なわけではありません。そのため,販売する商品のタイプがこのモデルの場合はおもな検討要因となります。かみそり、おむつ、ビタミン剤、コーヒー、ペットフードといった日用品は補充モデルに適しています。
✅メリット
- 高いコンバージョン率。サブスクの補充サービスを検討している消費者は65%で、ほかのモデルの場合(50%)と比較して非常に高いです。
- 高い継続率。扱っている商品の特性上、補充モデルの継続率はとくに高く、45%のメンバーは少なくとも1年以上サブスクを継続しています。
補充モデルの継続率はとくに高く、 45% のメンバーは少なくとも 1 年以上サブスクを継続しています。
Fresh Patchは、水栽培の芝生の一画をペットオーナーに届けます。総収入の80%がサブスクであり、リピート収益がこの企業のビジネスモデルの根幹です。
リスク
- マージンの低さ。多くの例で確認できるのですが、このビジネスモデルを採用する企業は価格競争や太っ腹な割引が避けられません。つまり、コストをおさえて大規模に運用しないと利益が得られません(言い換えると、大量の商品を販売する必要があります)。
アクセスモデル
アクセスモデルのユーザーは、月額料金を払って割安商品やメンバーオンリーの特典を得ます。JustFab、NatureBox、Thrive Market等は、こうしたアクセスモデルのサブスク ビジネス例です。そのおもなバリューは排他的な特典の提供にあります。
✅メリット
- お客さまにとって高い価値。ユーザーはメンバー限定の特典のために支払いをするので、パーソナライズされたオファーをできる機会があり、これがお客さまとの関係を深めることになります。フォーラムやFacebookグループなどで交流できるメンバー用コミュニティを立ち上げることで、この価値はさらに深く広げていくことができます。
- バンドルの機会が拡大。メンバーシップの一環として、関連商品のバンドルや、将来の購入に利用できる割引などを提供する機会があります。
リスク
- 時間的な投資の必要性。アクセスモデルはチェックアウト時に追加できる単一のサービスや商品ではないため、メンバーシップがユーザーにとって価値のある確かなものとしてしっかり維持されるよう、努力を重ねる必要があります。
参考:アドオン型のサブスク
これはビジネスモデルというわけではありませんが、既存ビジネスにサブスクサービスを追加するハイブリッドなアプローチといえます。多くの企業がこうした収益モデルに舵をきり始めています。単一の収益モデル(あるいはビジネスのピボット)にこだわることなく、柔軟にサブスクのエコシステムを追求できるのが利点です。
自分にフィットするサブスク ビジネスモデルの見つけ方
全体的に見ると、サブスク ビジネスの最大のリスクは解約です。良い面としては、一度お気に入りのサービスを見つけるとサブスク ユーザーは簡単には離れない、ということが挙げられます。解約率をおさえて利益の出るビジネスを運営するためのポイントを以下にまとめました。
1商品の可能性を確認する
最初のステップは、商品の実現可能性とブロダクトマーケットフィットの査定です。この世界では、ある種のカテゴリーはすでに飽和状態で、市場参入はむずかしい話になってきます。
たとえば、ミールキットのカテゴリーは最初の6ヶ月のキャンセル率がとても高く、競争価格やサービス内容がプレイヤー間で似通っています。リサーチをしてあなたの商品に市場のニーズがあることを確かめ、競合の動向につねに気をくばる必要があります。
2ビジネスゴールを明確にする
収益の数値、顧客獲得数、商品の販売数、ビジネスゴールが何であれ、それを一番意識してください。ビジネスモデルを選択する際にはとくに。
3始めのうちは価格を慎重に決める
サブスクを解約するユーザーは、行動が早いです。明確なメリットがないかぎり、無料トライアルや大幅なディスカウントに集中投資すべきではありません。また、価格は会社の動向に応じて随時テストされたり、採用されたり、検証されたりするべきものです。
4パーソナライゼーションに投資する
どのビジネスモデルでもいえることですが、キュレーションモデルの場合はとくに、消費者は時間とともに洗練されるパーソナライズされたサブスク サービスを期待します。キュレーションサービスのユーザーのうち28%は、サブスク継続の最大の理由はパーソナライズ体験だといっています。
パーソナライズを促進するために、社内にデータの専門家がいるか、技術的な蓄積がありますか? またはそこに投資する予算はありますか?
5リテンション戦略を優先する
初期段階では、売上のために顧客の獲得を優先する必要があります。しかしある程度流れができたら、顧客維持に戦術をフォーカスするようにしてください。
おさらいになりますが、顧客獲得は顧客維持よりコストがかかり、ロイヤルカスタマーからはつねに大きな価値が引き出せます。多くのサブスク企業は顧客獲得に最大のパワーを使いますが、ビジネスの成長という点では一番効果的な方法とはいえません。
理想的なCLV(顧客ライフタイムバリュー)とCAC(顧客獲得コスト)の割合は3:1です。
6マーケティングチャネルと戦術を多様化する
サブスクのビジネスモデルはさまざまなチャネルを使って新規顧客を引きつけ、既存顧客を引き留めます。始めたばかりの段階なら、インフルエンサーマーケティングで勢いをつけることも可能です。
サブスク ビジネスはユーザーの頻繁で熱心な利用に大きく依存しているので、メールは不可欠なツールです。それぞれのモデルには適したマーケティング戦略があることに注意してください。たとえば、キュレーションモデルであれば、アフィリエイトは主要な獲得チャネルになります。リピートパッケージであれば、ビルイトインのマーケティング認知ツールで該当ユーザーに働きかけます。
7解約動向をチェックする
いうまでもなくキャンセルする解約ユーザーのモニタリングと分析は、継続的なサービス改善のために必要です。
8意図しない解約にも注意する
クレジットカードの期限切れ、紛失、盗用。アドレスの変更。ネットワークエラー。これらは意図しない解約として、カスタマーライフサイクルで起こり得るものです。
Profitwellによると、意図しない解約は全体の20〜40%になるので、上記のような一般的な原因を完全に把握しておくことで収益に大きな差が生まれます。
Shopifyでサブスク ビジネスを始める方法
ネットショップの作成にShopifyを使えば、定期購入のオプションを既存ビジネスに追加する、またはサブスク ボックスを作り出すといったことが簡単にできます。おもに2通りのアプローチがあります。ストアへのShopifyアプリの追加か、独自のカスタムソリューションの作成です。そして、Shopifyの良いところは、サブスクと通常の単品購入の商品を同じストアに追加できることです。なので、2つウェブサイトを作る必要がありません。
おすすめアプリ
下記のサブスク管理アプリをインストールすれば、簡単に定期購買を提供することができます。
- 定期購買:日本製の初の定期購入アプリです!5分で楽々にShopifyストアにサブスク機能が設定できます。
- Mikawaya Subscription:高評価!実際にECサイトを運営している本人が作った、かゆいところにも手が届く日本製のアプリです。
- NoCode Subscriptions:定額制(売上手数料なし)でリーズナブル。完全ノーコードで作れるのが売りです。
- SENGINE ‑ 定期購入・サブスク構築ツール:無料プランもある、日本に最適化されたアプリです。
- 去SubscRide -サブスクリプション:エキスパートが作った、完全日本語対応のサブスクアプリ。カスタマイズにも対応します。
- PayWhirl Recurring Payments:Shopifyでネイティブにサブスクの作成・管理・販売が可能です。
- Bold Subscriptions:エンタープライズの利用を想定し、サブスク ビジネスのカスタマイズ・管理・拡張を実現します。
- Subscriptions by ReCharge:Shopifyストアで素早くサブスク の立ち上げと管理ができます。
- Ordergroove:Shopify Plus限定の利用となり、お客さまとの継続的な関係を円滑に進めます。
ストアをこれから立ち上げる方へ。
以下のリンクからストア開設ガイドブックをダウンロードして、サクッとShopifyストアを作ってみましょう。
Shopifyストア開設ガイドの最新版を公開
Shopifyでネットショップを開設しよう。このガイドブックでは皆さまのストアオープンに必要なShopifyの使い方を解説しています。
Shopifyストア開設ガイドを皆さまにお届けします。
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カスタム サブスクで独自のソリューションを作り出す
Shopifyは最近、Shopifyチェックアウトで直接定期購入体験を作り出せるツールとAPIを導入しました。開発者はShopifyチェックアウト上での構築が初めて可能となり、マーチャントはサブスクや定期購入商品の販売かShopifyを使うかの選択で悩む必要がなくなりました。
今後、単品かリピート商品かに関係なく、マーチャントは複数のチェックアウト管理をする必要がなくなり、お客さまはストレスのないチェックアウト体験を使い続けることができます。ぜひ既存のアプリもしくは新しいAPIを使って、サブスクビジネスをはじめましょう。