あなたのストアのトラフィックはどのサイトから来ていますか? ビジターはいったいどこにいるのでしょう? 昨年のブラックフライデー・サイバーマンデーの調子はどうでしたか? 一番検索されている商品は何でしょうか?
あなたのビジネス、あなたの顧客、あなたのマーケティング活動について、問うべき質問はたくさんあります。
アップデート:ライブビュー機能により、ビジターが実際に購入する瞬間をリアルタイムで確認できます。売上が発生したその瞬間に、お祝いできます。詳しくはこちら。
上に挙げたような質問の答えは、実はShopifyの中だけでもすべて完結するのです。今回はそんな多くの機能があるShopifyレポートとShopifyストア分析についてご紹介します。
レポートと分析
1日(または1週間か1ヶ月)の終わりに、あなたは分析ツールをチェックして重要指標(KPI)(KPIとは)をいくつか確認します。「先週と比べてトラフィックが2%アップ!」とデータを見て、喜ぶこともあるでしょう。
これがデータレポートですね。上がればOK、下がるのはNG。
データとデータ分析については、氷山の一角という考え方をすべきでしょう。たしかに、水面上に見えている輝かしい指標もあるのですが、水中にはもっとたくさんのものが隠れているのです。
分析とは、水面下にもぐって、あなたのビジネスにとって重要な発見をするプロセスです。eコマースの基本指標から数値を取ってくるだけではなく、「なぜ?」「それで?」と問いかけてさらに調査をします。
分析は、「上がればOK、下がるのはNG」という単純なことではありません。GoogleアナリティクスやShopifyストア分析を使用するにしても、水面下に隠れた要素は圧倒的に複雑です。
それでも、水面下にあるものの中から次のような発見が得られるので、何としても追求しなければいけなません。
- ビジネスにおける重要な質問への答え(新しく問うべき質問も含む)。
- あなたが気づいていなかったコストのかかっている問題領域。
- ユーザーエクスペリエンス(UX)とコンバージョン率を向上させる要素の早期発見と修正。
データについて正しい質問をする
わたしたちは、この水面下にある気づきを求めています。そこで、次のような問いが生まれます。「どのようにして水面下にもぐっていけばいいのか?」
答えは、ストアについて意味のある質問をすること、です。
ストア分析のダッシュボードを開くと、大量のデータが目に入ります。これだけで圧倒されてしまってもおかしくありません。やることを明確にするためにも、答えるべき質問リストを用意するといいでしょう。
いろいろクリックして、新たな発見が飛び込んでくるのを待っているだけではダメです(こうなればいいのですが、実際には起こりません)。あなたには、目的が必要です。
では、良い質問とは何でしょうか?
良い質問が思い浮かんだとします。まずは自分に聞いてみてください。「この質問の答えに基づいて自分は何を変更しようとしているのか?」
この答えが何もないようであれば、それは「良い質問」ではないのです。
それぞれの質問ごとに、「もし…なら、その場合…」というシナリオを考えましょう。「答えがYesなら、こうなる。答えがNoなら、こう」という具合に。
データについて問うべき意味のある質問を見つけるための、シンプルなプロセスがこちらです。
- 問題のある領域を探してサイトを見ていきます。期待どおりに働いていない箇所を見つけるため、基本的にはストアを壊そうという意思があなたには必要です。
- サイトを見ていくなかで気づいた問題エリア、懸念、疑問点などを書きとめます。
- 問題エリアや懸念事項を確認するためにストア分析へ向かい,質問に答えていきます。
ステップ1では、構造的な調査プロセスがあると役に立ちます。たとえば、主観やバイアスを排除するために、前もっていくつかの重要な要素を設定しておきます。
- フリクション:サイト内にむずかしいところはないでしょうか? どうやったらもっと簡単にできるようになりますか? ビジターの購買行動を妨げているものは何?
- ディストラクション:ビジターに一番取ってほしい行動を遠ざけている要因があるとしたら何でしょうか? 商品のカートへの追加、チェックアウトなどが考えられます。
- モチベーション:ビジターのモチベーションを上げたり下げたりするものは何でしょうか? あなたが一番取ってほしい行動をするのに十分な動機が彼らにありますか?
- 関連性:ページ上のすべてのものに関連がありますか? 無関係だったり重要ではないものがありませんか? ページ上のすべてが、求めるアクションに有利に働いていますか?
- わかりやすさ:商品やサービスの価値はわかりやすく伝わっていますか? 次のステップが何か明確になっていますか? 取ってほしい行動は明らかですか? 困惑させる要素はないでしょうか?
調査が済んだら、データについて問うべき質問リストが大量にできていると思います。
ここで一点注意を。統計に関して、こんな格言があります。「データを長く尋問すれば、何でも告白する」
あなたが特定の答えを探しているなら、それを見つけるでしょう。データ分析にあたって、認知バイアスを完全に排除するのは、かなりむずかしいです。しかし、自分が想定している答えではなく、あくまで質問に重点を置くように心がけてください。
良い○○とは?
良い月間トラフィック量とは? 良いコンバージョン率とは? 良い平均注文額とは? 良い…とは?
これらの問いに本当の正解はありません。業界にベンチマークすべき平均値はたしかにあるでしょう。しかし、それらはだいたい実用的というより、参考になる程度のものです。
たとえば、業界の平均月間ビジター数が100,000人と判明したとして、あなたは自分のビジネスの何を変えられますか?
あなたのストアのビジターが月に100,000人より少なかったとしても、トラフィックを増やすと誓うことぐらいしかできないでしょう。でも、わたしたちはつねにトラフィックを増やそうとしていませんか? ビジターが100,000人超えを達成しているなら、トラフィックを増やすことなど忘れてしまうでしょうか?
良いトラフィック量とは、先月よりも多いトラフィックです。これと同じことは、ほかの指標についてもいえます。
あなたとあなたのストアにとって、何が「良い」のか、それがすべてです。
価値の高いところから始める
ストア全体を調査する時間がなく、どこから始めたらいいかわからない場合、機会を最大化できるところからスタートしましょう。要約すると、3つのカテゴリーに集約されます。
- ボリュームが大きく、価値の低いページ。多くのトラフィックを生み出しているものの、利益にはなりにくいページです。たとえば、過去のブログ記事などが考えられます。
- ボリュームが少なく、価値の高いページ。トラフィックの量自体は少ないものの、コンバージョンしやすい質の高いトラフィックを生み出しているページ。たとえば、チェックアウトページなど。
- 購入ファネル。購入ファネルを決定的なステップへと分解します。たとえば、トップページはステップ1、商品コレクションページはステップ2、商品ページはステップ3、カートはステップ4、チェックアウトはステップ5、と分解できます。直線的なファネルプロセスは過去のものとなりつつあるので、ビジターが購入へ至る複数のルートを考えるほうが適切です。
ファネルはとくに興味深いですね。ファネルの各ステップのデータを収集できたら、ファネルの漏れがどこに生じているかをピンポイントで指摘できるでしょう。そこが、多くの人が脱落しがちな場所なのです。以下はその例です。
- 100人が商品コレクションページに到達している
- 50人が商品ページを見ている
- 40人が商品をカートに入れている
上記の(超基本的な)ファネルの例からわかるように、コレクションページで最大の脱落が起こっていて、50%のビジターが失われています。そのため、あとでデータを分析するために使う質問を掘り下げるのに良いスタート地点は、ここになります。
ファネルプロセスをさらに下っていくと、必要な影響力が小さくなることに注意が必要です。
- 100人が商品コレクションページに到達している
- 50人が商品ページを見ている
- 40人が商品をカートに入れている
- 20人がチェックアウトボタンをクリックしている
- 4人がチェックアウトを完了
この例では、チェックアウトを完了した人を4人から6人に増やすことを想像してみましょう。収益にもっとも近い数値が50%アップしたことになりますね。次に、商品ページを見る人を50人から52人に増やすことを想像しましょう。ファネルの上部のため、影響力は小さいです。
ファネルの底の部分を完璧に仕上げることに価値があるのは、これが理由なのです!
Shopifyレポートの主要3カテゴリーを分析しよう
Shopifyには、ストア分析のダッシュボードと、フル分析レポートの両方があります。
Shopifyのプランに応じて、いろいろなレポートが利用できます。ダッシュボードの概要と財務レポートは、すべてのプランで参照可能です。スタンダードプランかそれ以上のプランの場合、ほかの3つのレポートカテゴリーにもフルアクセスできます。集客レポート、行動レポート、マーケティングレポートの3つです。
1集客レポート
集客レポートは、あなたのサイトを訪れるビジターにフォーカスします。注意すべき重要な点は以下になります。
- 訪問(セッション)数とビジター数はCookieに基づき、1つはデバイス(ビジター)を特定し、もう1つは滞在時間を特定します。つまり、1人のビジターが複数のセッションを生成することも可能です。
- 1つのセッションは、アクティビティが30分間ない場合やUTCの0時に終了します。
時間の経過によるセッション
これは「レポート」の「集客」セクションで確認できます。
時間の経過によるセッションは、指定期間におけるビジターとセッション数を示します。
データテーブルの上に棒グラフが表示され、わかりやすくなっています。
データテーブルのヘッダーをクリックして、昇順や降順でソート可能です。そのため、たとえばビジターがもっとも多かった日を上部にもってきたり、シンプルに時系列に並べたりできます。
デフォルトの指定期間以上に深く踏み込むことができる点も注目です。
直近30日間とその前の30日間を比較したり、今期の第3Qを前期の第3Qと比べたりできます。データを細かく切り分け、深掘りすることで、より多くの発見があるでしょう。
トレンドを優先付けすることも重要です。データは変動します。往々にして、先週分との比較は、8週間前との比較より重要ではありません。小さな変動を見つけるのではなく、発展しているトレンドを探しましょう。
参照元によるセッション
こちらのレポートも「集客」セクション内で確認できます。
参照元によるセッションには、ソースごとの訪問者数とセッション数が表示されます。
こちらのケースでは、Google検索が一番の参照元となっています。Googleは、54人の訪問者をストアに呼び、58のセッションを生み出しています。
参照元の名前で分類されていますが、絞り込みの基準を変更すれば次のような表示結果も得られます。
こうして見ると、SNSでは少ないながらもフェイスブックが一番の参照元であることがわかります。
このレポートは、時間の経過によるセッションレポートに別のレイヤーを付け加えます。だれが、どれくらいの頻度であなたのサイトを訪れているかがわかるだけではなく、どこから来ているかを把握することができます。
これは、マーケティングの時間と資金をどこに費やすべきか決定するのに役立ちます。あなたは忙しい起業家で、すべてを同時にはできません。成果を出し、利回りのいい箇所に集中すべきです。いっそのこと、新しい参照元で実験をおこない、その期間にどれくらいトラフィックを生むかを追跡してもいいでしょう。
訪問者数とセッション数の違いには注意が必要です。参照元からの訪問者数が多く、同じソースからのセッション数が同等である場合、それ自体が悪いわけではありませんが、トラフィックの質やエンゲージメントはあまり高くないといえるかもしれません。
ロケーションによるセッション
こちらのレポートも同じ「集客」セクションで見ることができます。
ロケーションによるセッションは、いろいろな国別の訪問者数とセッション数を示します。
どの国からあなたのサイトを見に来ているかがわかるだけではなく、地理的情報にもかなりインサイトがあり、興味深いです。
たとえば、一番人気の商品ページをフェイスブックで広告するとしましょう。どの地域をターゲットとすべきか、あなたは正確に理解できます。
または、広告キャンペーンを国別にわけて、どこからのトラフィックが多いかを確認することもできます。また、地理情報を利用して、スペルや文法、文化的引用、画像(スキントーンや顔)などを通知することもできます。さらに一歩進んで、配送や送料について知らせましょう。
2行動レポート
行動レポートは、ビジターの行動にフォーカスします。重要な注意点は次のとおりです。
- ウェブサイトカート分析はこのカテゴリーに該当しますが、Shopifyプランかそれ以上のプランでのみ使用可能です。
- これらのレポートの半分は、検索バーのあるテーマを使用する必要があります。それがないと、次の4つのレポートのうち2つはデータが表示されません。
上位オンラインストア検索
「レポート」の「行動」セクション内で確認できます。
上位オンラインストア検索では、あなたのサイトでビジターが商品検索のために使ったワードが表示されます。
「元のクエリ」は、ビジターがストア内検索で使用した正確なワードを表示します。「Total searches」では、そのワードが使用された回数が示されます。
このレポートから引き出せる洞察がいくつかあります。
- お客さまの声:あなたが売っている商品をお客さまがどう捉えて描写しているかがわかります。ここで使われているワードを、商品タイトルや商品説明、価値提案やコレクション名などに反映してみましょう。
- 商品の人気度:おそらく、検索回数はその商品の人気度とある程度関連しているでしょう。このレポートを長期的な観点で見て、人気の増減の可能性がある商品を見つけてください。
- UXの混乱:商品の検索をしているということは、それがサイト内で見つけにくいということを示しています(とはいえ、検索バーを最初から好むユーザーもいますが)。あなたのナビゲーションが明確で使いやすいものになっているか、確認しましょう。たとえば、UXナビゲーションを改良することなく、商品数の急な上昇が見られた場合、検索ボリュームの増加に気づくかもしれません。
結果の得られない上位オンラインストア検索
こちらも「レポート」の「行動」セクション内にあります。
結果の得られない上位オンラインストア検索は、ストアで検索されたのにも関わらず、当てはまる商品がないなどで、結果を返すことのなかった人気のある検索ワードを示します。
「検索結果はNo」のフィルターがかかっていることがわかりますね。これは、レポートセグメンテーションの典型例です。なぜなら、1つ前の検索クエリレポートと今回のレポートの違いは、このフィルターだからです。しかし、ここであなたは新しい洞察を得ています。
ビジターが何かを検索するとき、そこにはある程度の購入意思があると推定できます。検索結果が何も出てこないと、大いに落胆します。この落胆を減らすために、このレポートを利用しましょう。
- 商品の需要。もしビジターがあなたの商品やストアと関係のないワード検索をしているなら、なぜそのようなことが起こるのでしょうか? あなたは間違ったキーワードや属性に基づいて広告を出しているのかもしれません。ビジターの検索ワードに関連性があり、しかしあなたの商品と検索結果が一致しない場合は、需要に対する供給を考えてみましょう。
- 商品のラベリング。上述したように、このクエリを商品タイトルや説明文などに使いましょう。そうすれば、人気のあるキーワードに対して検索結果が返ります。
- 商品の序列。人気のあるクエリにマッチした関連商品があるのに、検索結果が出てこない場合には、その商品をビジュアル的に上の階層に配置しましょう。埋もれていたり、ほかの要素に紛れていたり、ビジターが見逃している可能性があります。もっと目立つようにしましょう!
ランディングページ別のセッション
「レポート」の「行動」セクション内で確認できます。
ランディングページ別のセッションは、あなたのストアの中でビジターが最初に到着したページを表示します。
上記の例では、ブログが最大のトラフィックをもたらしホームページと商品ページがそれに続きます。このデータから、どこに力を入れることを決められるでしょう。
もちろん、機能していない部分を発見することもできます。
最近のパフォーマンス(過去7〜30日)と長期的なパフォーマンスを比較するようにしてください。新しいランディングページが登場していませんか? 以前は効果的だったランディングページの機能が衰えていないでしょうか?
ランディングページの最適化に向けて、どのページに時間と労力を費やすかを決めるのに、このデータが役立ちます。以前は機能していたランディングページのパフォーマンスが現在は落ちているなら、そのページにフリクションがあることが想定できます。以前と比べて急速に効果が出ているページがある場合は、サイトの調査中に優先順位を付けましょう。
これはとくに、たとえばブラックフライデー・サイバーマンデーセールのように、専用のランディングページをテスト運用している場合に有用です。「ランディングページタイプ」でソートして並べ替え、どのランディングページがベストなパフォーマンスをしたかを確認できます(AバージョンとBバージョン、またはメンズアパレル版とレディースアパレル版の比較など)。
デバイス別セッション
こちらのレポートも「行動」セクションの中で確認できます。
デバイス別セッションは、あなたのストアにアクセスするために使われたデバイスのタイプを表示します。
なぜそれが重要なのでしょうか? 一見した感じでは、「知っておく分にはいいだろう」という程度のデータに思えるかもしれません。しかし、これはとても実用的なレポートなのです。以下のような用途があります。
- 広告ターゲティング。ほとんどの主要な広告プラットフォームは、デスクトップ広告、モバイル広告、またはその両方を作成するかどうかを尋ねます。このレポートは、その決定を知らせるのに役立ちます。上記のデータを使うなら、デスクトップ広告もモバイル広告も同じくらいに見えるので、どちらも堅実な選択といえるでしょう。
- UXの差異チェック。良いモバイルUXと良いデスクトップUXは、見た目も操作感もまったく異なります。これは多くの人が無視している点です。レスポンシブデザインは正しい方向への一歩ですが、あなたはもう一歩深く前進する必要があります。モバイルでは、ボタンのサイズやキーボードのスタイル、スワイプ、タップなどの要素を考慮しなくてはいけません。デスクトップで使われる直感的なナビゲーションは、モバイルに用いると煩わしいかもしれません。このレポートは、デスクトップとモバイルの間のUX課題にフラグを立てる役割を果たします。
- セパレートテスト。モバイルとデスクトップはとても異なるので,個別にテストをすることは重要です。デバイスごとに分かれているレポートは、そのようなセパレートテストを容易にします。
3 マーケティングレポート
マーケティングレポートは、あなたのマーケティングキャンペーンの効果にフォーカスしています。注意すべき重要な点はこちらです。
- ほかの4つのレポートもこのカテゴリーに含まれますが、Shopifyプランかそれ以上のプランでのみ利用可能です。
- マーケティングレポートは、すべてのオンラインストアチャネルからの注文データを要約します。
マーケティングに起因するセッション
このレポートは、「レポート」の「マーケティング」セクションで見ることができます。
マーケティングに起因するセッションは、UTMマーケティングキャンペーンによって生成されたビジター数を表示します。
UTMマーケティングに慣れていない場合、こちらに素晴らしいガイド(英語)があります。基本は次のとおりです。
- UTMパラメータは、マーケティング活動の全容が見えやすいようにリンクに付加される小さな情報のピースです。
- これら3つのパラメータをもっとも目にするでしょう。
- ソース(utm_source):これは通常、リンクが配置されるサイトを定義されるために使われます。たとえば、utm_source=shopifyやutm_source=newsletterなどです。
- メディア(utm_medium):これは一般的に、マーケティング活動を定義するために使われます。たとえば、utm_medium=paidなど。
- キャンペーン(utm_campaign):これは運用している特定のキャンペーンを定義します。たとえば、utm_campaign=bfcm、utm_campaign=summer19などが考えられます。
最終的に、あなたのUTMマーケティングリンクは次のようになります。
www.yoursite.com ? utm_source = shopify&utm_medium =派d&utm_campaign=bfcm
マーケティングレポートでビジターを見るときに、このUTMパラメータを引き出すことができます。これで、あなたはニュースレターや有料キャンペーンなどのマーケティング活動の成果を包括的に把握できるようになりました。
列と絞り込みを理解する
今まで見たきたように、Shopifyストア分析には有用なデータが大量にあります。あなたの課題エリアのリスト、または調査すべきエリアのリストは、すでにかなり長くなっているでしょう。
しかし、わたしたちはまだ表面をなぞっただけです。水面下にはまだまだたくさんのインサイトが眠っています。
では、どのようにデータの海に飛び込んだらいいのでしょうか? セグメンテーションが鍵となります。
セグメンテーションというのは少し怖いワードですが、実際は単純です。今までにマーブルチョコレートを色分けしたことはないでしょうか? それがセグメンテーションです。
Shopifyストア分析には、2つのオプションがあります。絞り込みと列です。
絞り込みによって、レポートのデータを特定の要素(例:赤のマーブルチョコレート)のみに分離できます。絞り込みは、おもに3つの構成要素で成り立っています。
- 項目名:絞り込みを定義し、列に対応させます。たとえば、「デバイスタイプ」「都市名」などがあります。
- 演算子:「等しい」か「等しくない」を選択します。
- 値:絞り込みの基準となる特定の数値やワードです。たとえば、「モバイル」「名古屋」など。
データテーブルの左上に「絞り込みを管理する」というボタンがあるので、クリックするとポップアップが開きます。
デバイス、ランディングページ、ロケーション、マーケティングキャンペーン、参照元、検索結果など、多様なフィルターを追加したり削除したりできます。
一部のレポートでは、検索バーのオプションなど、独自の絞り込みオプションが提供されます。
複数のフィルターを追加することもできます。絞り込みによってデータを切り分けるほどに、水面下のインサイトを見つけやすくなるでしょう。
列は、デフォルト表示以上のデータを閲覧できるようにします。データテーブルをソートするために使用してきたヘッダーを、追加したり削除したりするのが基本です。
「列を編集する」をクリックすると、ドロップダウンが表示され、閲覧可能な列を確認できます。
デバイス、ランディングページ、ロケーション、マーケティングキャンペーン、参照元、期間、セッションなどのカテゴリーから、多様な列を追加したり削除したりできます。
では、こちらのデータを実際に見ていきましょう。
ロケーションによるセッションのレポートを覚えていますか? 絞り込みと列のオプションを使ってデータをセグメントし、深いインサイトを発見しましょう。
ここでは、ビジター、カートに追加(列)、チェックアウト(列)を生成した米国の都市(絞り込み)を確認しています。
お金に近いところから測定していくのが、つねに得策であることを知っておきましょう。なので、たとえばチェックアウトのデータは、ビジターのデータよりも強い成功指標となります。
ランディングページ別のセッションを思い出してください。これは、ファネル上部のビジターよりもファネル下部のチェックアウトのほうが指標として洞察に満ちていることを示す完璧なレポート例といえます。
わたしたちがここで追加したのは「チェックアウト」の列だけですが、得られるインサイトは大きく変化します。セッション数を見ているだけのときは、ブログが大量の訪問者を生み出しているので、もっとブログに注力したほうがいいという理解でした。
ここでは、ブログは訪問者を生み出しているものの、それほど売上には直結していないことが示されています。どうやったらブログからのコンバージョン率を改善できるでしょうか? では、これを調査リストに書き加えておきましょう。
もっと訪問者が増えればありがたいですが、もっと売上を増やすことが目標です。コンバージョンに結びつかないクオリティの低いトラフィックは、マーケティング予算と時間を浪費するだけです。
さて、それでは、もう1つ。デバイス別セッションのレポートがありましたね? 絞り込みと列を新しくしてみます。
2つの絞り込みを追加してみました。1つは、モバイルユーザーを抽出し、もう1つはiOSを使っているビジターを抽出しています。そのため、ここで示されているのは、iOSを使用しているモバイルユーザーの情報です。
また、列を3つ追加しました。1つはiOSのバージョンを表示し、1つは平均セッション時間、もう1つはチェックアウトの数を示しています。
このレポートは、いくつかの理由で役に立ちます。
- 関連性がないと思われる古いOSと古いバージョンのブラウザ(ブラウザで絞れば同様のレポートを作成できます)を使っている人の数に驚くでしょう。2016年のOSであなたのカスタムテーマが見栄えよく表示されることを知っていましたか? iOS10.0経由での訪問者が86人もいるのですよ。
- デバイスのOSバージョンによって滞在時間やチェックアウト数が低くなっているなら、そのバージョンのOSではUXに問題がある可能性が示されています。ただし、同じOSで比較することを忘れずに。たとえば、わたしたちは意図的にiOSを抽出しています。iOSとAndroidを比較する気はありません。比較するなら、iOSとiOS、AndroidとAndroidです。
- 多くのデバイスのバージョンやブラウザバージョンであなたのストアがどう機能するかをチェックするには膨大な時間がかかります。このレポートは、あなたのストアでもっとも人気がある(そしてもっとも懸念される)バージョンを知ることで、どこからスタートしたらいいかを把握するのに役立ちます。
レポートをCSVで出力することもできます。
この形式は、Excelでのデータ分析を好む人にとって役に立つでしょう。Excelは、より高度なアナリストのための素晴らしいツールです。
絞り込みと列による試行を繰り返すうちに、セグメンテーションのアイディアがパッと思いつくようになります。オプションは無限といっても過言ではありません。何よりも実践が、完璧への道です!
ビジネスの分析と最適化は、継続的なプロセス
必然的に、あなたが知りたいことへの答えは、また別の質問につながります。
レポートの分析とは、質問をして、回答を探し出し(レポートとサイトの両方で)、より情報量の多い質問を次に投げかける、という絶え間ないプロセスなのです。
課題を切り分け、列と絞り込みで実験をおこないましょう。単純に水面上にあるものをレポートから得たくなる衝動と戦ってください。
そして、Shopifyで出せるレポートを実際に試してみたいと感じた方は、ぜひこちらから無料登録をお試しください。
よくある質問
ストア分析の目的は?
- ビジネスにおける重要な質問への答え(新しく問うべき質問も含む)
- あなたが気づいていなかったコストのかかっている問題領域
- ユーザーエクスペリエンス(UX)とコンバージョン率を向上させる要素の早期発見と修正
ネットショップのデータを分析するプロセスが知りたい
- 問題のある領域を探してサイトを見ていきます。期待どおりに働いていない箇所を見つけるため、基本的にはストアを壊そうという意思があなたには必要です。
- サイトを見ていくなかで気づいた問題エリア、懸念、疑問点などを書きとめます。
- 問題エリアや懸念事項を確認するためにストア分析へ向かい,質問に答えていきます。