インターネットショッピングの利用率が日本全体で70%を超え (総務省「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」2021年) 、若年層からシニア世代まで広く浸透しているいま、ネット販売はビジネスはもとより、私たちの暮らしにも欠かせないものとなっています。
メルカリの調査 (2021年) によれば日本の国民一人あたり約34.5万円という、眠れる「かくれ資産」 (不用品) の物品も商品流通に加わり、よりよいものをより安く手に入れることが日常になった現代。一方で、ネットで売ることは年々難しくなってきているのではないでしょうか。
Eコマースが群雄割拠する、ポイント合戦の流通戦国時代は混迷を極めています。通信や金融、保険、旅行、実店舗の小売業、飲食業、はたまた電力業界、果てはスマホ決済のペイたちまで巻き込み、もはやキャラクター相関図を平面に描けないほど複雑に入り組んできました。砂漠の乾季に水場で呉越同舟する動物たちを想起せずにはいられません。
ネットのどこで売れば効果的なのか答えの出ないなか、大手のショップは自社サイト販売に併せて国内3強ECモール (楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング) のすべてに出店することも珍しくありません。個人やスモールビジネスのオーナーは、経費との兼ね合いも悩みどころです。
この記事では、ビジネスに合わせてお得にネット販売するためのサービス選びについてご紹介します。
目次
Shopifyベーシックプラン
どこで売るかは、何を売るかによって決まってきます。
1. ブランド力あり→ホームページ+ECモールのマルチチャネル販売
すでにブランド力のあるものなら、ホームページ (=自社サイト) +国内3強ECモールのマルチチャネル販売で売り上げは拡大していくでしょう。
国内3強ECモールは手数料も高く、楽天は月額の出店料も高額になります。
- 楽天 (がんばれプラン) :出店料月額19,500円 (※年間一括払いで初期登録費用は60,000円) |手数料7.1〜11.6%
- Amazon:出品料月額4,900円 (大口出品の場合) |手数料8〜15%
- Yahoo!ショッピング:出品料無料|手数料5.74% (ストアポイント1%/キャンペーン1.5%の原資負担、クレジットカード決済の場合)
ホームページだけで販売するほうが営業益は上がっていくはずです。
しかし、現代日本の我々はもう、3社が年に数回催す"祭り"に参加せざるをえない状況ではないでしょうか。大幅な値引きやポイント10倍超え (=1割引以上) に抗える懐の方は多くはないと思います。顧客が他社でポイントをまとめたと見るや「お久しぶり値引き券 (前回購入から1年以上経過した場合) 」を舞い込ませるなど、3社はあの手この手でそれぞれの祭りに誘っています。
ポイントの魔力は、ポイントを獲得したときではなくポイントがつかないときに発揮されます。お得という感覚よりも、(ポイントを取れず) 損をしたくないからポイントを求めてしまうのです。ああ無情。
品目・銘柄・必要数がある程度決まっている必需品のまとめ買い,趣味のものの大人買いなど,祭りで買わずして損をするわけにはいきません。
あらゆる品ものが祭りで売れることは明らかです。営業拡大には国内3強ECモールでの出店が鍵となるでしょう。
2. 高ブランド力→ホームページ (SNS、ブログを含む) 販売
ブランド力が高ければ、品ものを祭りに出す必要はありません。ポイントの魔力も、愛には勝てないのでしょう。ブランドにファンを集めるぐらいの力があれば、ホームページ販売が最善となります。世界的なミュージシャンの物販が好例です。
参考:おしゃれ番長の座を30年譲る気配のないBeckも、レッチリ (Red Hot Chili Peppers) もBon Iverも、Ye (カニエ・ウェスト) もBillie Eilishも、nerdを絵に描いたようなWeezerも、『Shopify』を利用しホームページで販売しています。
【SNS、ブログの活用】
ブランド力の高い希少品であれば、売価が上がっていくオークションサイトも選択肢のひとつです。SNSに投稿した作品をYahoo!オークション (出品料無料|手数料8.8%〜10%) で直販売し、美術商を介さずマネタイズされている作家の方もいます。SNSでのマーケティングに加えて、ブログで作品/商品の紹介やメイキングエピソードを綴ってみましょう。ものづくりの想いを購入者に共有することで、品ものへの愛着を一層深めてもらえます。
3. ブランディング中→マーケットプレイス出品+ホームページ販売
これからブランドを作っていく場合もマルチチャネル販売で事業を展開させたいところですが、起業時にはネット販売の設置にそれほど予算も手間隙もかけられません。
無料〜低価格で簡便に出品できるマーケットプレイスでは、商品流通量が多ければ多いほどマーケットプレイス自体が集合知となり、購入者のレビューや評価、ランキングによってブランドを急成長させることも可能です。
- メルカリ/メルカリShops:出品料無料|手数料10%
Eコマース国内4位の商品流通額を誇り、スマホ決済『メルペイ』との連携や祭りも強み。競合するフリマアプリは手数料を抑えており、楽天の『ラクマ』は6%、Yahoo! JAPANの『PayPayフリマ』は5%となっている。
- Etsy(本社アメリカ,日本語対応):出品料1点につき$ 0.2 (4ヶ月ごとに更新) |手数料5% (4/11以降6.5%)
作品やこだわりの商品を世界に販売。2005年創設の老舗サービスで、大量消費に逆らい、作家やメーカーを支援するプラットフォームを創出してきた。Etsy系の国内サービスには『minne』(出品料無料|手数料10.56%) 、『Creema』(出品料無料|手数料11〜15.4%※国内販売の場合) 、『iichi』(出品料無料|手数料20%) 、pixiv連携の『BOOTH』(出品料無料|手数料5.6%+22円) などがある。
(Yahoo!ショッピングとAmazonの手数料は上記参照)
品ものに特化したサービスでは、食品であれば『食べチョク』(出品料無料|手数料8〜18%) や『ポケットマルシェ』(出品料無料|手数料20%) などがあります。雑貨であれば有名セレクトショップに採用提案することでも販路が広がります。
ただし、高い手数料や商品流通量の多さゆえの値下げ競争にさらされる点も考慮する必要があります。最大手のメルカリでは、アルゴリズムで古い出品が検索から外されることもあります。
ある程度の取引高になれば、ホームページ作成からネット販売までをまかなえるEコマース・プラットフォームを利用することで、ブランド力と経営効率を高められます。
月額無料のサービスもありますし、『Shopify』との比較も合わせて、こちらの記事でご検討ください。
参考:Eコマース・プラットフォームの国内各社比較、おすすめポイント
Shopifyがブランドに合った売り場をつくります
Shopifyでは、ホームページ作成からマルチチャネル販売まで行えます。現在対応しているECモールはAmazonと楽天で、SNS連携対応はFacebook、Instagramです。Google Shoppingにも対応しています。
現在Shopifyには月額無料プランがありませんが、選べるお得な3つのプランをご用意しており、増収するほど増益していく高品質なサービスを提供しています。ネットから実店舗まで一元化する商品管理機能、安全迅速の決済機能『Shop Pay』などのShopifyエコシステムは、ビジネスの規模を選ばす、どんなビジネスも支えます。選ぶのも楽しいサイトデザインの豊富なテンプレート、使い勝手のよいブログも備えています。さらに、世界各国での決済、電子書籍やデジタル音楽の販売、オンデマンド印刷、サブスクリプションサービスもサポートしています。
また、『Shopify 購入ボタン』があれば、ウェブページやブログにコードを貼り付けるだけでネット販売でき、商品管理機能などの高性能なShopifyエコシステムも利用できます。
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