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ノートパソコンで小規模ビジネス向けローンの申し込みを行っている女性。

プレスリリースとは。書き方、作り方、テンプレート、送信方法【広報PRの基礎知識も】

プレスリリースとは何か、解説します。プレスリリースとはなんだろうか?と考えてこのコンテンツに辿り着いた方は広報担当者ではない可能性もあるでしょう。企業や組織の広報活動を強化したい広報担当ではない方が読んでくださることも考慮し、後半には広報PRと広告の違い、IR、プレスリリースに関連するFAQも載せています。

目次

  1. プレスリリースとは
  2. プレスリリースの内容と対象
  3. プレスリリースの作り方とフォーマットの例
  4. プレスリリースの送信先、送信タイミング
  5. 広報PRと広告の違い、IRとは
  6. プレスリリースに関連する質問と回答

プレスリリースとは

プレスリリースとは

プレスリリースとは、メディア(報道機関とも呼ばれる)向けに作成された、ニュース性のある何かを発表するための文書です。この1〜3枚にわたる文書は、報道機関の記者やメディアの担当者が将来のテレビやラジオの放送、新聞や雑誌の号外、またはメディアのウェブサイトでその情報を使用することを期待してメディアに配布されます。

プレスリリースの発信元

プレスリリースの発信元は、大企業や中小企業に限りません。事業を営んでいる個人の事業主でも発信できます。その他、慈善団体や政治家(政治団体)がプレスリリースを作成・発信することもあります。

プレスリリースの内容と対象

プレスリリースの内容と対象

(Unsplash: benjamin-child)

プレスリリースの内容

一般的に以下のトピックを、プレスリリースとして対外的に発表します。

会社発表

拡大、リストラ、移転、新拠点、戦略的提携、新たな資金援助や投資家など、いずれの内容もプレスリリースに値します。

製品発表

新製品、改良型製品、新ブランド、製品を扱う新しい小売店など、全てプレスリリースで発表することができます。

イニシアチブの発表

会社の地域社会に影響を与えるような社内外の新しいプロジェクトもプレスリリースに適しています。

研究成果

ビジネスに関連する何らかの調査や、研究結果の発表です。

プレスリリースの対象・対象外

プレスリリースに相応しい内容とは、社会の人々がそれらの情報を求めて報道機関やメディアを確認していること、社会の人々が求めているものであることです。

その内容に興味関心を持つのが、従業員・従業員の家族や友人のみであり、第三者が必要としない情報であれば、プレスリリースを作成・発表する必要はありません。

プレスリリースの作り方とフォーマットの例

プレスリリースの作り方

(Unsplash: kal-visuals)

プレスリリースの大まかな定型と記載する内容は以下です。以下の情報を全て含めて、A4 1枚で収めることが望ましいとされています。

プレスリリースの大まかな定型

上記を含めた数パターンのプレスリリース雛形をダウンロードいただけます。ご自由にお使いください。

ヘッダー

プレスリリース文書であることが伝わるよう、Press releaseもしくはNews release、報道関係資料、などの文言をヘッダーに入れます。

発信元の情報

証券コード、発信年月日、発信企業名などを入れます。

大見出しもしくはタイトル

プレスリリースのタイトルを記載します。

中見出しもしくはサマリーを1文程度で

大見出し(タイトル)を補足するような中見出しもしくはサマリーを添えると、何を伝えようとしているのか明確になります。

リード文章

リード文章には、基本情報と結論を入れます。記者やメディア関係者は、ここまでを読んで読み進めるかどうかを決めると言われています。記者やメディア関係者が数字を好むことから、開示できる具体的な数字、売り上げ目標や販売見込みなどを入れることが推奨されています。

本文

リード部分と本文を合わせて全文とします。リード部分で伝えたことを本文で改めて言い直す必要はありません。

リード部分に基本情報と結論を出しているため、本文ではそれら結論を補足する情報や写真、図表を適宜差し込んでください。長くなりすぎず、しかし情報が盛り込まれているように仕上げます。

発信企業について

会社概要を記載します。

プレスリリースの問い合わせ先

記者やメディア関係者向けとなる報道関係者向けの連絡先と、一般の読者からの問い合わせを受け付ける連絡先の2種類を記載することもできます。例えば、報道関係者向けの連絡先は広報PRや広報IR部門(あるいは内容に応じて、営業部門、マーケティング部門など)、一般の読者からの問い合わせ先はお客様相談室の連絡先を記載する、などです。

その他:添付資料

プレスリリースはA4 1枚で収めることが望ましいとされている,全体や要旨が簡潔に書かれていることが求められる文書です。詳しい情報を提供する場合は別添で添付資料を用意します。

プレスリリースの送信先、送信タイミング

プレスリリースの送信先

(Unsplash: david-smooke)

プレスリリースの送信先

プレスリリースの送信先は、自社のリリース情報に関連する内容を社会に伝えている報道機関やメディアです。

記者クラブ

記者クラブとは、各省庁・都道府県庁・市役所・警察署・団体などの記者室に置かれた取材のための機関です。複数報道機関の同部門の記者がいます。

例えば政治部に所属する記者は内閣記者クラブや衆議院(参議院)記者クラブ、経済部に所属する記者は経団連記者会や兜倶楽部へ、社会部に所属する記者は警視庁七社会や東京都庁記者クラブへ出勤します。

メディアの担当部門、担当者

プレスリリースの情報が届いてほしい層を読者や閲覧者として有しているメディアの担当部門と担当者に送信する方法です。リリースを送信するだけでなく、アポイントを取りメディアキャラバンを実施してもいいでしょう。

プレスリリースの送信タイミング

制限を設ける

一部のプレスリリースには情報公開の日時を制限する措置を設けます。プレスリリースの内容を特定の日時より前に公開してはならないとするものです。

報道機関やメディアの情報量に合わせる

報道機関やメディアにも、情報が多い時期と少ない時期があります。例えば新聞の夕刊、新聞の日曜日紙面に掲載する情報や、月曜日紙面、夏季休暇や年末年始時期の情報が不足しやすいとされています。このような、報道機関やメディアに情報が少ない時期のための情報提供や、その時期に紙面(誌面)あるいは記事に直結するような企画の持ち込みや提案は歓迎されることがあります。

自社の取引形態に合わせる(B2B, B2C)

しかし、報道機関やメディアに情報が少ないタイミングにB2B関連のプレスリリースを送信するのはもったいないです。報道機関やメディアに情報が少ないタイミングは、仕事を離れている人も多いためです。プレスリリースの内容と読者が活動しており、読まれる時期に送信しましょう。

例えばマーケティング部門で使うことのできる新ツールに関するプレスリリースであれば、内容はB2Bです。送信のタイミングは平日のビジネスアワーがベストです。

親子で利用できる教育系の新しい玩具に関するプレスリリースであれば、内容はB2Cです。送信のタイミングは、長期休暇を少し先に控えた平日のビジネスアワーに送信し、そのプレスリリースをきっかけに保育育児・教育関連のメディアやおもちゃ関連のメディアなどとメディア・リレーションを実施し取材を受け、長期休暇中に公開される「長期休暇に親子で遊べるおもちゃ特集」や「子供へのクリスマスプレゼント特集」などの記事に掲載してもらう、といった流れがいいでしょう。

業界の特性に合わせる

自社の業界で大型イベントや注目イベントが開催されるタイミングは、情報が多い時期に当たります。例えばIT関連業界の場合、Google, Amazon, Facebook(現Meta), Appleが新製品発表などを行う前後のタイミングや、CES, SXSWなどのテック関連イベントが開催される時期〜開催後には、レポート記事が多数発信されます。自社のプレスリリースに注目を集めるために、この時期をずらしてプレスリリースを送信しましょう。

広報PRと広告の違い、IRとは

広報PRと広告の違い

(Unsplash: kelly-sikkema)

広報と広告の違い

広報は企業や組織体の存在意義・経営目的、そのための活動を人々に知ってもらい、理解してもらうためのステークホルダーとのコミュニケーション活動です。

広告は、企業が商品やサービスの販売促進を図るための説得的なコミュニケーション活動です。

PRとは

PRとはパブリック・リレーションズ(Public Relations)の英単語頭文字を取った略称です。組織体とその存続を左右するパブリックとの間に、相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持をするマネジメント機能のことです。

PRの仕事の一つとして、プレスリリースの作成やメディア・リレーションズが存在します。PRの仕事の一つがプレスリリースの作成であり、これだけがPRの仕事だけではありません。「PRの仕事は報道機関とメディアとの関係性を強化して、会社や経営者が報道機関やメディアから取材をしてもらうものである」、「PRは広告会社での経歴や知見があれば当然務まる」などの認識も非常に多いようです。前者ですが、会社や組織の周囲にあるパブリックの一つがメディアなので、PRの仕事の一つにメディア・リレーションが含まれます。後者ですが、もちろんPRの仕事のなかで広告代理店とのやりとりが含まれる際に広告会社での経歴や知見は大いに役立ちます。しかし広告と広報は異なるため、PR担当者・責任者はPRの視点で広告へ提言ができる能力が必要です。

組織体の周囲に存在する社会や各種ステークホルダーとのリレーションズ、つまり関係を維持・強化することがPRの仕事です。その仕事の中の一つの手段としてプレスリリースの作成やメディア・リレーションズが存在します。特に、スコット・M・カトリップ、アレン・H・センター、グレン・M・ブルームの共著「体系パブリック・リレーションズ」において、パブリックリレーションズは以下の9つであると示されています。

  1. 組織体のマネジメントの一環として、計画した持続的プログラムを実施する。
  2. 組織体とそのステークホルダーであるパブリックとの間の関係性を扱う。
  3. 組織体の内外の意識や意見、態度、行動を観察する。
  4. ステークホルダーであるパブリックに及ぼす方針や手順、行動の影響を分析する。
  5. 公共の利益と組織体の存続が対立する方針や手順、行動を明らかにする。
  6. 経営層に対して、組織体とパブリックの双方に利益をもたらす新しい方針や手順、行動を構築するための助言を行う。
  7. 組織体とパブリックとの間の双方向コミュニケーションを構築し、維持する。
  8. 組織体の内外の意識や意見、態度、行動に対し、目に見える変化を生み出す。
  9. 結果として、組織体とパブリックとの間に新しい、かつ/または、持続的な関係性が生じる。

红外とは

红外とはインベスター・リレーションズ(Investor Relations)の英単語頭文字を取った略称です。企業から投資家に向けたコミュニケーション活動のことです。

プレスリリースに関連する質問と回答

プレスリリースに関連する質問と回答

(Unsplash: the-climate-reality-project)

よくある質問

Q1: プレスリリースとは

プレスリリースとは、メディア(報道機関とも呼ばれる)向けに作成された、ニュース性のある何かを発表するための文書です。

Q2: プレスリリース配信サービスを使った方がいいですか?

プレスリリースの内容が届いてほしい層へ情報提供をしている報道機関やメディアが、あなたの会社や組織が利用を検討しているプレスリリース配信サービスを使っているのであれば、報道機関やメディアへ情報が届く可能性が高まるため、プレスリリース配信サービスを使った方がいいと言えます。

プレスリリース配信サービスを使うと必ず報道機関やメディアと接触できるわけではありませんが、日本の数多くの報道機関やメディアがプレスリリース配信サービスに配信されるプレスリリースでの情報収集を実施しています。

プレスリリース配信サービスを使わない場合

報道機関やメディアに直接プレスリリースを配信したり、メディアキャラバンを実施したりしてプレスリリース内容や、掲載する情報を活用することができます。

Q3: プレスリリースを作ると、報道やメディアで使われますか?

報道機関やメディアが求めていた情報であれば、即日問い合わせが発生して追加取材などにつながります。メディアは社会情勢や時期に合わせて構成・内容を検討していることが多く、そこにマッチする情報の場合、掲載される確率が高まります。

例えば「COVID-19の影響で実店舗での買い物をする人が減り、ECなどオンラインでの購入が増えている」「COVID-19で在宅勤務やリモートワークが増えている」といった社会情勢があれば、ECに関連する数字や統計情報、在宅勤務やリモートワークに関連するツールの製品情報が求められます。

Q4: プレスリリースは組織の中で誰が作った方がいいですか?

広報担当者が作成します。個人事業主の場合は事業主本人が、広報担当者を有していない小規模な組織やスタートアップ企業などは、プレスリリースに入れる情報の元となる部門が作成することがあります。

広報担当者が作成しない場合、情報が届いてほしい人(報道機関の記者やメディアの担当者)に届く内容に仕上がっているか、作成者以外の人物が読み直すようにしてください。

Q5: プレスリリースを作成するときに気をつけるべきことはありますか?

プレスリリースは、簡潔であること、事実であること、プレスリリースを読む報道機関の記者やメディアの担当者が読みやすく仕上がっていることに気をつけるといいです。その他気をつけるといいことは以下3点です。

1.専門用語の使用有無を判断する

専門用語、専門性の高い技術関連用語などを使うか、使わないかを検討してください。社内用語は使わないでください。

専門用語が理解できるオーディエンスに届けたい場合は、専門用語を含む専門的な内容を、わかる人だけがわかるように書いても問題ありません。それも判断の一つです。
しかし、専門的な内容を幅広いオーディエンスや、これまで届いていなかった範囲にも広く届けたいという目標を掲げている中でのアクションの一つとしてプレスリリースを作成するのであれば、専門外の人が読んで理解できる内容に仕上げましょう。専門用語などを使わず、平易な表現などを使うよう心がけるといいです。専門外の報道記者・メディア担当者がニュースリリースをもとに記事作成や企画を考案できるような仕上がりになるといいでしょう。

2.社内用語は使わない

社内用語は、社外の人間や一般人には伝わらないことがあります。使用しない方がいいでしょう。

3.必要に応じて写真や図表を差し込む

写真や図表の差し込みは義務ではありません。しかし、新製品発売のプレスリリースであれば新製品の写真が、研究成果やアンケート結果に関連するプレスリリースであれば成果と結果に関連する図表などがある方が読みやすく、わかりやすいです。図表などは、会社のブランディングに沿うデザインや色を使うといいですよ。

参考書籍

  • “体系パブリックリレーションズ“株式会社ピアソン・エデュケーション
  • 「2019-2020年度版広報・PR実務」株式会社同友館
  • 「2019-2020年度版広報・PR概説」株式会社同友館
  • 「広報・マスコミハンドブック PR手帳 2022」公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

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